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- リサイタル?コンサート?それぞれのピアノ演奏の場の違い
「ピアノリサイタル」と「ピアノコンサート」、どちらも同じように使われている用語ですが、その違いをご存じですか?
「リサイタル」と「コンサート」というふたつの用語には本来的な意味に違いがあります。ここではこの2つの違いをご説明します。

「リサイタル」は演奏家ひとりの独奏会
「リサイタル(recital)」の元となるreciteという語は聴衆を集めてその前で朗誦するという意味を持っています。そこから派生した「リサイタル」という語は単独か、またはごく少人数での演奏会を指します。
「ピアノリサイタル」の場合は基本的にピアニスト一人のみの舞台となっています。ただ、フルートやバイオリン等といった旋律楽器では、ピアノやハープなどの伴奏がつく演奏会であってもリサイタルと言われています。
つまり、メインとなる演奏家が一人だけの独奏会を「リサイタル」と呼びます。
「コンサート」は複数の楽器を組み合わせた演奏会
独奏会を指す「リサイタル」に対して、「コンサート」という語は元々オーケストラなどの多人数による楽団の演奏会を指してきました。しかしながら、現在ではポップスや演歌など、出演者が単独の場合にも使われるようになっており、「ソロコンサート」といった語も定着して使われるようになっています。
同様に「ピアノコンサート」という語も現在では単独のピアニストによる演奏会を指すこともしばしばあり、「コンサート」という言葉が、幅広い意味で使われるようになってきています。
「リサイタル」はより気軽なイメージ!?
「コンサート」と「リサイタル」は本来の意味合いから違う捉えられ方をすることがあります。「コンサート」に対して「リサイタル」はより気軽に音楽を楽しむ場とイメージされており、「ピアノリサイタル」ではトークやドリンクサービスなどがあるプログラムも多くあります。
大きな会場で純粋に音楽を楽しむために行われる「コンサート」に対し、「リサイタル」では音楽を含めた時間と空間の共有を楽しむというイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?
また、「コンサート」の語がクラシックに限らずロックやポップス、演歌などの幅広いジャンルで使用されているのに対して、「リサイタル」はクラシックやシャンソンなどの限られたジャンルに使用されることが多いようです。
最近では、「ピアノリサイタル」と「ピアノコンサート」の明確な違いがなくなってきています。どちらの形式であっても、ぜひ気軽に楽しみにいってみてはいかがでしょうか。